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第5回 イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘氏:2/4|社長対談|投資信託・積立投資ならセゾン投信

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社長対談~21世紀の世界を見据えて~"今"を変える力

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘 × セゾン投信 代表取締役社長 中野晴啓

手間がかかることにこそサービスの真髄がある

●中野

今では超一流の料理人となった笹島シェフですが、ちょっと原点に帰ってみようかと。シェフが一番最初に作った料理は何ですか?

●笹島シェフ

ハンバーグだと思いますね。19歳の頃にアルバイトをしていたレストランでのことなので、すごく庶民的なものだったと思います。それまでお米もといだことがないし、全く料理をしたことがなかったのですが、キッチンのスタッフが急にやめてしまったので、急きょキッチンに入れられてしまって。最初はすごく嫌でしたね。でもそのお店の店長のマネジメントがうまくて「料理に興味がないんだったら、やらなくてもいいよ」と言われてしまったのです。そう言われたら逆にやる気になりますよね。絶対やってやると思って実際にやってみたところ全然できない(笑)。そこで短期間で覚えてやろうと思って、休みの日に魚屋さんに通い、1日中魚をさばいていました。

●中野

これまで作った料理の中で最高にまずいなと思ったのは?

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘

●笹島シェフ

う~ん…。肉のカルパッチョですかね。あれってけっこう難しいのです。当時は生肉のサラダはあまり食べたことがなかったので、正直よくわからないという状態でした。肉の厚さによって食感が全然違ってしまうし、そもそも味付けが塩とレモンとオリーブオイルくらいなので、たとえば塩がちゃんとついている部分は美味しいけれど、そうでないところはあまり美味しくないのです。お客様に突き返されたこともありますよ。

●中野

これだけお店を出すと、けっこういろいろなことを言われる事もあるかと思いますが、そういうときの気持ちの切り替えはどうやっているのですか?

●笹島シェフ

お店を出すと「儲けに走ったな」とか言われますが、全然腹も立ちませんし気にもなりません。というのも、それは全く見当外れなことだからです。もし僕が本当に儲けに走ってそう言われると腹が立つのでしょうけど、僕の意思は違いますからね。怒るエネルギーがあれば、もっと違うところに使いたいです。怒るというのは、ものすごくエネルギーいりますから。

ただ、もし「笹島は儲けに走ったな」という意見が世の中全体の意見であれば、会社はやっていけなくなると思います。僕の意思が変わってしまって思い切りビジネスに走ったら、会社は傾くでしょうね。それは、僕の意思である「お客様に楽しんでいただくと」いうことを、多くのお客様は感じてくださっていると思うからです。だからこそ、それが感じられなくなったら、きっとお客様は去ってしまうと思います。

●中野

売上が下がったときには、まず最初に何をするのですか?

●笹島シェフ

売上が下がったときには、幹部を集めて「景気が悪いせいにするのではなくて、お店のどこかがおかしいぞ、どこかに穴があるぞ」と話をします。それは気持ちの問題だったりするのですが、その穴を早く見つけて、それを埋めていかなければなりません。

●中野

それはスタッフにちゃんと伝わるのですか?

●笹島シェフ

幹部にはちゃんと伝わっていますね。スタッフに何か伝えるときには、僕はメールではなくてFAXを使います。メールでは気持ちがうまく表現できませんが、手書きで書いたものは気持ちが文字に現れるので、相手に伝わりやすくなるのですよ。また、FAXがどこかに貼ってあれば、自分の興味がある時や自分が持っているタイミングで見るから、すんなり入りやすいのです。タイミングは人それぞれで、怒られた時に見る人もいれば、朝一番で見る人もいる。メールをするよりも、FAXをいつでも見れる場所に張っておいた方が効率よく伝わると思います。

●中野

ミーティングについては?

●笹島シェフ

時間を決めてやるのも必要かもしれませんが、人はそれぞれのタイミングがありますからね。テンションが低かったらいい意見も出てきませんし、話が頭に入ってきません。だから前もってテーマを出しておいて、それぞれが考えられるときに考えておいて、その意見が全部出たときにみんなで持ち寄って話した方がいいミーティングになると思います。

●中野

メニューを考えるのはシェフですか?

●笹島シェフ

基本的には僕が考えていますが、スタッフにオリジナルで考えてもらうメニューもあります。試作したときに「ん?」と思うことがあっても決して全否定はしません。多くの場合はそこで「やり直して」と言ってしまいますがそれでは全否定になって、そのスタッフが考えたものはすべて無になってしまいます。そうなったら、そのスタッフは考えることを放棄してしまう。だから僕は「盛り方だけでも変えてみたら?」「これをちょっと足してみたら?」と本当に些細なことを話してもう1回考えてもらいます。その後でまた試作して、「今度は前よりよくなったな」と。そうしないと「じゃ全部決めてください、レシピ化して誰でも作れるようにしてください」となってしまいます。それでは独自の色を出しつつ、考えた人の自我を満足させるという僕の考えとは違ってしまうのです。

●中野

ボトムアップしてメニューができるというイメージですね。

●笹島シェフ

あとは、僕がメニュー名や食材だけを伝えて、料理を考えてもらうこともありますね。たとえば「鴨と大根」であれば、解釈の仕方が人によって全く違うのでいろいろな料理になります。だから京都と東京では同じ「鴨と大根」というメニューでも違う料理がでてくることもありますが、それは個性なので、「あり」ですよね。

叱られて伸びる人はほとんどいないので、だったらほめて伸ばしてあげようというのが、僕のスタンスです。「任せるよ」とか「頼むよ」という言葉1つでやる気は違ってきますよ。

●中野

自由に仕事をさせる一方で、みんなで共通認識をしていることは何ですか?

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘

●笹島シェフ

それは「お客様のことだけを考えよう」ということです。でも、お客様が喜ぶことは、たいていこちら側としては手間がかかることです。たとえば、エンドウ豆の皮むきとか。エンドウ豆が嫌いな方は、おそらく皮が嫌なんだろうなと思ったので、その皮を取ってしまえばいいと考えました。でも、皮をむくのは全部手仕事なので、やる側からすれば相当面倒な作業です。もちろん時間もかかります。でも、それを食べたお客様は「私、エンドウ豆が苦手だったけれど、これはおいしいですね」と言ってくださると思います。

お客様に喜んでいただけること、お客様が望んでいることは、こちら側としては時間や手間がかかることだったりするのですが、逆にいえば、それができるかどうかが大切なのです。先ほど売上が落ちたときに「どこかおかしい」「どこかに穴がある」と考えるとお話ししましたが、こういう面倒な作業がちゃんとできているか?ということでもあるのですよ。そういう作業にしか、お客様を本当に心から喜ばせる道はないと思いますね。

●中野

それはサービス業の本質ですよね?それだけとことんやるから「おいしいね」という言葉が出るわけで。

●笹島シェフ

もちろん、そこまでやらなくても美味しいものはたくさんあります。でも感動するかといったら、しないような気がするのですよ。だから、僕はそこにこだわるのです。僕たちの場合は、料理だけではなくて、お店のいたるところにこだわりを持たないといけない。それは家具や食器などもそうですし、掃除1つとっても徹底的にやります。

もう1つ、お客様が喜ぶことはコストがかかることでもあります。投資をしなければなりません。食器だって、まだ使えると思っても全部替えてしまう。使い込むことで味が出るものなのか、それとも替え時なのか、そういう判断も必要です。僕は、最初にコストがかかっても、長く使えるものを選ぶようにしています。たとえば椅子なら合皮ではなくて本革のものにしましたし、床に敷く石にもこだわりました。長く使えるものを選べば、あとから大きな投資をする必要がなくなりますからね。最初にその投資をするかどうかはオーナーの判断だし勇気だと思います。

●中野

それはリスクとリターンの関係そのものですよね。本革の椅子は言ってみればリスクですよ。だって、最初のうちは気にするお客様はあまりいないのだから、そこにお金をかけなくてもいいと考えることはできます。でも、時間が経つと本革かどうかの違いが分かるようになってくる。小さなリスクしかとらなかったら小さなリターンしかありません。

●笹島シェフ

従業員もたくさんいる中で、小さな投資で小さなリターンでは経営上なかなか難しいです。でも、大きな投資をして大きなリターンがとれれば、みんなが幸せになる。だったら、大きな投資という判断をしますよね。これが、僕が従業員にしてあげられることの1つだと思います。

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘氏

1964年、大阪生まれ。高校卒業後、サービスの仕事に魅せられ、レストランの世界へ。その後、料理の面白さに目覚め、料理人に転向し関西のイタリアン数店で修業。24歳のときに「ラトゥール」(大阪)で、27歳で「ラ・ヴィータ宝ヶ池」(京都)でシェフを務めた後、「イル パッパラルド」(京都)を経て独立。2002年、“京都発信”のイタリアンを目指し、オーナーシェフとして「イルギオットーネ」を開店。2005年11月、「イル ギオットーネ丸の内」をオープン。2007年1月、イタリア・ミラノで開催された料理サミット「イデンティタ・ゴローゼ」に日本人として初参加。同年5月、ジョルジオ・アルマーニ氏主催のチャリティーディナーに料理人として参加。2008年10月、京都木屋町に「クチネリーア」、2010年6月、京都四条烏丸に「トラットリア&バール」をオープン。現在、テレビや雑誌など多くのメディアでも活躍し、フジテレビ「料理の鉄人」では初の東西イタリアン対決も経験する。

著書・関連出版物

IL GHIOTTONE 笹島保弘の料理(永末書店)

イタリア料理の展開力(柴田書店)

ハイブリッド・アンティパスト(柴田書店)

イタリアン精進レシピ(本願寺出版社)

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