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第5回 イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘氏:4/4|社長対談|投資信託・積立投資ならセゾン投信

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社長対談~21世紀の世界を見据えて~"今"を変える力

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘 × セゾン投信 代表取締役社長 中野晴啓

一番大切なのは「楽しい」ということ

●中野

京都の本店はひっそりとした場所にありますよね?なぜ、目立つところに作らなかったのですか?

●笹島シェフ

ヨーロッパに行ったとき、タクシーに乗って山の中のレストランまで連れて行ってもらったことがあるのです。途中には何もないし、どんどん山の中に入って行くのですごく不安でした。お店らしき建物が見えても看板は出ていないし、大丈夫かなと。恐る恐るドアを開けると、中にはすごい数のお客さんがいて、みんな楽しそうに食事をしていたのです。そのときの感動は忘れられないですよ。だって、いったいどこからこれほどのお客さんが来るんだろう?と思いましたからね。探さなければわからない、看板がない、でも1回来てしまえば分かりやすいというのはすごく素敵だなと思いました。

あとは、未来永劫ロケーションが変わらないというのも重要なポイントです。たとえば隣が公園とか川であれば変わりません。京都のお店の前には五重塔があるので、このロケーションはずっと変わらないはずです。

イメージとしても、京都の食材を使って京都発のイタリアンと謳っているのに、お店がビルの3階といったら、それは僕が抱いているイメージとは違うのですよ。

●中野

そういうふうに、今までの業界とは違うことにこだわるのはなぜですか?

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘

●笹島シェフ

美味しいというのは千差万別なので、じゃどこで差が出るのかといったら「珍しい」ということだと思うのです。つまり、オンリーワンですよね。もちろん、すべての人に受け入れられるわけではありませんけど、このお店が好きで他にはないとなれば、お客様は足を運んでくれます。イタリアンという枠で考えるとたくさんのお店があるので、同じテイストだと厳しい闘いになってしまう。であれば、自分のところにしかないものを作ればいい。そうすれば、多少遠くても食べに行こうかなとなるのです。それは「美味しい美味しくない」ということではなくて「他にあるのかどうか」という価値観になってくるからです。今となっては京都イタリアンという言葉があるくらいですから、同じようなお店があります。でも僕たちが始めたころはなかったですから、そういう意味ではオンリーワンの状態でいられましたね。

●中野

笹島シェフの一番の強みは何かというと、儲けようという気持ちがないことだと思いますね。一番怖いタイプですよ。

●笹島シェフ

よく言われますね。お前みたいなヤツが一番怖いと。儲けようとか、これでのし上がってやろうという人はどこかに隙がありますが、僕の場合はあくまで「ここにお店があったら楽しいだろうな」とか「みんな喜ぶだろうな」というのがベースですからね。行動とか心理が読みにくいのかもしれません。

●中野

でも、純粋な気持ちとか自分のワクワク感が一番大事ですよ。「楽しい」ということを一番大事にされているのですね。

●笹島シェフ

スタッフにも同じ感覚でいてほしいので、「楽しい?」って聞きますよ。スタッフが楽しくなさそうだったら、もう最悪ですね。そういう雰囲気はお客様にも伝わってしまいます。

●中野

楽しんでやっている人間には、何をもってしても勝てません。

●笹島シェフ

プロというのは、やっている本人が楽しんで、それをお客様が見て楽しむからお金をいただける存在だと思うのです。レストランも例外ではありません。働いている人間が楽しんでいないと、お金はいただけないのです。まずは自分が楽しむことで、他の人を楽しませることができないといけない。だから、「楽しくなさそうだね」「元気ないね」と言われるのが「これ美味しくないね」と言われるより数倍ショックですよ。

●中野

僕の場合、生活者のことを考えていない金融業界のスタンダードを変えたいという気持ちがあって今の会社を作ったのですが、シェフの場合、業界のスタンダードに対する「これは変えてやるんだ」という思いはどういう点にありますか?

●笹島シェフ

決まったものをお客様に食べていただくということです。たとえばお客様がベジタリアンでお店側にそう話したとしても、「それはできません」と言われてしまうことがけっこうあります。僕のお店では基本的なコースはありますが、お客様によって変えるようにしています。たとえば、肉が好きだから全部肉を使った料理にしてくださいと言われれば、それを作ります。だから、どんな注文が来てもいいように準備はしてありますよ。やはりお客様の要望にぴったり合った料理を提供できた時の感動はものすごく大きいです。

●中野

それはプロとしてのプライドもあるのでしょうか?

●笹島シェフ

僕自身にプライドがあるのではなくて、お客様を喜ばすことにプライドがあるのです。お客様目線とは言いつつも、実はそのスタンスではないお店がある中で、僕は違うという気持ちですね。たとえば、お客様のマナーが悪いこともあるのかもしれませんが、横目でチラッと見られてお客様が萎縮してしまうことがあります。そういうことがまかり通ってしまうのがこの業界なのですよ。昔、自分がレストランに行ったときに萎縮してしまった経験がありますから、同じ思いをしてほしくないのです。だからこそ、面倒なこともできるのでしょうね。

あとは親方と弟子のような関係性がかなり強い世界です。僕はそれが嫌だったということもあって、自分ではそれをしないようにしようと思いました。

●中野

そういう背景もあって、お客様のことを一番に考えるようになったのですね。

●笹島シェフ

お客様のことを一番先に考えたら、食材の在庫もたくさん抱えるし、メニューもたくさん考えておかなければなりません。これを経営の面から見たら、リスクになってしまいます。ということは、メニューを全部同じにすれば食材の在庫も少なくできますからリスクは減ります。でも、それはお客様のためではなくて自分のお店のためですよね。

●中野

価格を下げたことはお客様へのメッセージだとおっしゃいましたよね。それだけではなくて、業界への挑戦でもあると僕は思うのですが。

●笹島シェフ

価格破壊をして、めちゃくちゃにしてやろうと(笑)。最初の頃は「なんでそんなことをするんだ。」と言われましたね。京都である程度の価格で料理を出せるようになったお店は、僕のお店と比べられると高いと判断されてしまう。そうすると、価格を下げざるをえなくなってしまうのです。

でも今は、京料理の世界にも若い料理人が入ってきて、どんどん新しいスタンスで料理を作るようになりました。もちろん価格も安いです。そういう新しい流れができてきて、それに僕も少し貢献できたかなと思うと嬉しいですよね。

●中野

一般生活者目線が料理界には欠けているのかなと思いますが、いかがですか?

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘

●笹島シェフ

欠けているというよりは、だんだん見えなくなってくるのです。ずっと1万円の料理を出していたら、3000円の料理がわからなくなってしまう。もし自分がそういう立場になったら、見えなくなるのではないかと思いますね。だからこそ、僕はお客様目線にこだわっているのです。お店の料理と価格を見て「儲からないでしょ?」と言われることもありますが、こうしてお店を続けていられますからね。そこは歯を食いしばってやっていくしかないですよ。

●中野

でも、そうやって自分の意思を貫いてやっているから多くの支持を得られているのだと僕は思いますね。

●笹島シェフ

たくさんのお客様に僕の料理を食べていただきたいのです。そのためにも、価格は変えることはできないし、もちろんクオリティを落とすことはできません。何よりも、常にお客様のことを考えていなければ、たくさんの方に来ていただくことはできないと思います。

●中野

イル ギオットーネの笹島シェフというと、すごく遠い存在のようなイメージだったのですが、実際にお話しをすると全然違いますね。なぜここまで人気店になったのかに僕は興味があったのですが、その答えがわかりました。それはお客様のため、スタッフのためという温かい気持ちがあるからこそですね。それをみんながちゃんと感じ取っているのだと思います。

そしてもう1つ強く感じたのはチャレンジ精神です。業界のスタンダードに疑問を持ち、それを受け入れないという結論を出された。と同時に新しい世界を創りだしていくことは、すごく抵抗を受けることだと思います。それでも挑戦して1つの形を創り上げたことに、僕は感名を受けましたし勇気をいただきました。笹島シェフが作る料理が美味しいのは、腕がいいのはもちろんのこと、そこに「勇気」というスパイスが入っているからなのでしょう。僕もこの料理を食べてさらに勇気をいただいて、業界のスタンダードに立ち向かっていきます。そして、業界が変わってきたとき、笹島シェフのように「変革に少しは貢献できて嬉しいです」と胸を張って言いますよ。その時は、笹島シェフに最高の料理を作っていただきたいですね。

インタビューを終えて

イルギオットーネ東京・丸の内店で初めて笹島シェフにお会いしたときのこと。自己紹介でセゾン投信の理念・哲学をお話したところ、「この対談にきっと自分はピッタリだと思いますよ。」と自信を込め笑顔で返して下さった、その瞬間からこの方とは意気投合するに違いないという確信を得ました。

小生とシェフのシンパシーは、人への感謝と社会への奉仕という価値観でしょうか。そして彼の紡ぐ一皿一皿の作品は、業界の慣習という根拠なき常識にことごとく挑み続ける笹島シェフの生き方と重なるものです。素晴らしいご縁をいただきました!(中野)

イル ギオットーネ オーナーシェフ 笹島保弘氏

1964年、大阪生まれ。高校卒業後、サービスの仕事に魅せられ、レストランの世界へ。その後、料理の面白さに目覚め、料理人に転向し関西のイタリアン数店で修業。24歳のときに「ラトゥール」(大阪)で、27歳で「ラ・ヴィータ宝ヶ池」(京都)でシェフを務めた後、「イル パッパラルド」(京都)を経て独立。2002年、“京都発信”のイタリアンを目指し、オーナーシェフとして「イルギオットーネ」を開店。2005年11月、「イル ギオットーネ丸の内」をオープン。2007年1月、イタリア・ミラノで開催された料理サミット「イデンティタ・ゴローゼ」に日本人として初参加。同年5月、ジョルジオ・アルマーニ氏主催のチャリティーディナーに料理人として参加。2008年10月、京都木屋町に「クチネリーア」、2010年6月、京都四条烏丸に「トラットリア&バール」をオープン。現在、テレビや雑誌など多くのメディアでも活躍し、フジテレビ「料理の鉄人」では初の東西イタリアン対決も経験する。

著書・関連出版物

IL GHIOTTONE 笹島保弘の料理(永末書店)

イタリア料理の展開力(柴田書店)

ハイブリッド・アンティパスト(柴田書店)

イタリアン精進レシピ(本願寺出版社)

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