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第9回 株式会社BOOT BLACK JAPAN 代表取締役 長谷川裕也氏:4/4|社長対談|投資信託・積立投資ならセゾン投信

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社長対談~21世紀の世界を見据えて~"今"を変える力

株式会社BOOT BLACK JAPAN 代表取締役 長谷川裕也氏 × セゾン投信 代表取締役社長 中野晴啓

満足は当たり前。その先に感動を創りだす。

●中野

この先、ブリフトアッシュとしてはどうしていこうと考えていますか?

●長谷川さん

海外に進出します。まずは香港ですね。お客様の中には香港によく行かれる方が多いですし、距離的にも文化的にも日本人に近いので、最初のステップとしてはいいのではないかと考えています。

●中野

香港には靴磨きの文化はあるのですか?

株式会社BOOT BLACK JAPAN 代表取締役 長谷川裕也氏

●長谷川さん

文化は日本と同じような感覚ですが、靴磨きを望んでいる人はたくさんいます。金融の街と言われるくらいですからね。それに、香港で仕事をしていて、日本に帰ってきたときにお店にいらっしゃる方もいます。

ただ、海外進出のことも頭にあるのですが、今すごく考えていることは、世界一の靴磨き集団を作ることなのです。そのためにも、今月から新技術を開発したら手当を付けたり、仕事の体質を変えようとしています。僕たちの場合、仕事が流れ作業になってしまうので、何らかの刺激がないと発見がなくなってしまう可能性があります。でも、新技術を発見するとか、研究するようなことがあれば、ただの作業ではなくなりますし、どこにも負けない技術ができるはずです。そうすれば、不況なんて関係なくなると思うのですよ。

●中野

靴磨きの中で、技術的に一番難しい事はなんですか?

●長谷川さん

茶色の靴のしみを完全に抜くのは、ほぼ不可能です。エナメルの修理もそうですね。もっとうまくなりたいと思うこともたくさんありますし、これができれば世の中のニーズは全部集められるということはけっこうあります。クラックといって、ひび割れを直す技術はブリフトアッシュだけの技術なので、こういった技術をもっと増やしていきたいと思いますね。

●中野

会社として人を雇っていく苦労もあるかと思いますが、いかがですか?

●長谷川さん

職人はまだ6人なので家族のようなものですが、僕自身に迷いがあると、それは伝わってしまいます。トップが迷ってしまうとやっぱり乱れますね。僕のお店では毎週火曜日にミーティングをするのですが、そのときの司会は交代でやるようにしています。先日僕が司会をしたときには、松下幸之助のお面を付けて登場して、「松下幸之助 不況克服の心得十カ条」をみんなで読みました。

不況克服の心得十カ条

 第一条 「不況またよし」と考える

 第二条 原点に返って、志を堅持する

 第三条 再点検して、自らの力を正しくつかむ

 第四条 不退転の覚悟で取り込む

 第五条 旧来の慣習、慣行、常識を打ち破る

 第六条 時には一服して待つ

 第七条 人材育成に力を注ぐ

 第八条 「責任は我にあり」の自覚を

 第九条 打てば響く組織づくりを進める

 第十条 日頃からなすべきをなしておく

不況のときはいろいろとブレが生じるので、こういう指標があるといいと思います。第六条は特にそうですね。僕はせっかちな人間なので、こういう言葉を見ると気がひきしまります。

●中野

でも経営者はみんなせっかちだと思いますね。早く前に進みたいという思いが強くて当然です。それを抑えるには、意識しないといけないのかなと思うので、自分との闘いです。社長としての焦りとかはありますからね。

こうやって話を聞いていると、3,000円しかない中で靴磨きを始めて職人になった長谷川さんは、今はもう経営者ですよね。いつ頃から、経営に興味を持っていたのですか?

●長谷川さん

18歳の頃からですね。完全歩合制の仕事をしている時に「人を動かす」も読みましたし。もともと、僕の母が商売をしていてそれを見ていたからかもしれません。

●中野

やっぱり新しいタイプの職人なのでしょうね。昔ながらの職人というと、自分の腕を磨き上げて最高の技術を手に入れることが人生の目標みたいなもので、そこに経済的な拡大とか成長という考えがあまりない世界ですよね。でも、拡大や成長は悪いことではなくて、むしろ世の中に新しい価値を与えることができます。だからこそ、経営感覚を持った職人は、新しい存在なのですよ。

●長谷川さん

「致知」という雑誌の中に人間国宝の刀匠の方の話があるのですが、それを読んで職人とは何かを考えました。この方は小学校を卒業してすぐに鍛冶の世界に入ったのですが、戦争が起きてしまい、刀ではなくて農具などしか作れなくなってしまいました。戦争が終わってようやく刀を作れるようになって、メキメキと腕を上げていったのですが、ある時鎌倉時代の刀を見てすごく衝撃を受けたそうです。鎌倉時代といったら道具もそろっていないのですが、今では考えられないくらいすごい技術があったといいます。そこで考えたのが、最初の鉄の部分から自分で作ることです。これがあまりにも体にきつくて病気になってしまい、10年間闘病生活をして、再び刀を作るようになったのですが、それでも昔の刀には到底及ばないそうです。

これは靴においても言えることで、今から100年くらい前の靴は、ミシンもない時代だから手縫いで作られていますが、糸目が細かかったり、どうやって作るんだろうと思うような靴がけっこうあります。靴磨きも同じで、今のように道具がそろってなかった中で、きっとすごい技術はあったと思います。昔はそれだけしかやらないから、普通の人が追いつくことができないところに行けたのだと考えると、靴磨きに一点集中しないと、誰も及ばないレベルに到達することはできないだろうなと思います。

●中野

そういう極みに行きたいということですよね。この部分は職人ですよね。

●長谷川さん

そうですね。職人としての意識です。一方で、ビジネスを考えていく必要があるので、経営者としてのフットワークも必要かなと思います。

●中野

経営者意識があるからこそ、靴磨きを広めることができるのだと思います。一瞬だけの小さな世界で終わってしまうのはもったいないですよ。だけど、以前お会いしたときに、お店をたくさん作ることは考えていないとおっしゃったので、ここは長谷川さんのポリシーなんだろうなと思います。

●長谷川さん

どんなことにおいても、大きくしていくと薄くなっていくような気がします。なので、ジュースでたとえるなら果汁50%くらいで押さえたいですね。30%、25%にはしたくないと思います。よほど創業者精神を理解している人が出てくれば別かもしれませんけど、今は大きくしようという考えはないですね。

●中野

これは21世紀型の価値観かなと思います。20世紀は大きくすることに価値があったのですが、21世紀はクオリティを維持していくと同時に、濃厚にしていくことが重要だと思います。オールドスタイルの会社は、この価値がわからないから絶滅してしまう。マンモスのようにね。だから、小さいことはすごくメリットがあると思います。

海外に進出するときだって、高いクオリティを持っていれば十分通用するでしょう。すでに、海外でためされたことはあるのですか?

●長谷川さん

昨年は、ロンドンに行きましたね。やはり海外を意識する以上、実際に行ってみないとわからないこともあります。ブリフトアッシュの職人には、世界的な視野を持ってほしいと思っています。自分たちが行っていることが、小さいお店の中におさまってしまうことではなくて、もっと大きな世界にも通用するということを知ってもらいたいです。

●中野

靴磨きのレベルを上げるために筋トレを欠かさないそうですね?

株式会社BOOT BLACK JAPAN 代表取締役 長谷川裕也氏

●長谷川さん

22歳のときに「靴磨き.筋トレは体を鍛えるというよりは精神を鍛えるためです。毎日同じことをするので、ストイックさがないと飽きてきてしまいます。筋トレは毎日やることに意味がありますが、時に嫌いになってしまいますよね。それでも続けることで精神が鍛えられると思うのです。

ミーティングも毎回司会を変えておもしろさを出すようにしているのは、クリエイティブさを高めたいからです。自分のパフォーマンスを鍛えたり、発想を柔軟にさせることが僕たちの仕事では必要なことです。満足させるのは当たり前で、感動を与えることが重要ですからね。

●中野

マンネリ化に陥ると成長はとまりますからね。これは怖いです。でも、長谷川さんと話をしていると、本当に創意工夫をしていると感じます。靴磨きという、一見狭い世界をこれほどまでに広げている人はそういないのではないでしょうか。それだけ長谷川さんは革新的だし、斬新です。それに、21世紀型の新しい職人の姿を見ることができて、僕自身が刺激を受けました。いろいろなジャンルで変化が起きているし、それを起こしている人がいるのは確かです。長谷川さんが靴磨きに革命を起こすのであれば、僕は金融の世界に革命を起こさなければなりません。今回の対談で、そのことを強く感じました。靴を磨くだけではなくて、僕の心まで磨いてくれた。そんな対談になったと思います。

インタビューを終えて

初めて青山骨董通りにある「ブリフトアッシュ」のお店を訪ねたのは、2年程前ですが、洗練されたBARのような都会的雰囲気の店内に充満する靴の皮の何とも香ばしいような匂い!実に印象的でした。 そのカウンター越しにカッコよく立って靴を磨いている長谷川さんの姿は、誇らしげで楽しそうで頼れる主のようでしたが、今回の対談を通じて、既成概念を全転換させてしまったビジネスモデルは、彼の職人魂がその成功の源泉であるとはっきりわかりました。まさに「今を変えるチカラ」は高い理想を追い求める心意気から生まれる!素敵な刺激を頂きました。(中野)

株式会社BOOT BLACK JAPAN代表取締役 長谷川裕也氏

2004年春、20歳の時に無一文状態になり、日銭稼ぎの為に東京駅の路上で靴磨きを始める。その後、品川駅港南口に活動拠点を変え、2009年南青山にBrift H(ブリフトアッシュ)を開店。日本中の靴好きが集まる人気店へ。他には類を見ない新技術や新しい靴磨きのスタイルを作り続けている。

投資信託は値動きのある有価証券等に投資しますので基準価額は変動します。

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