|
もっと物語を!
|
 |
(株)メディカル保険サービス取締役
後田 亨氏
|
 |
はじめまして。後田亨です。肩書きは保険代理店役員ですが、保険に関する著述と「有料相談」を主に仕事をしています。
素朴に、保険業界を変えたいと思っているからです。
たとえば、保険の「無料相談」は、販売手数料に依存する代理店などが、拡販の可能性を伺う機会になりがちです。私は「保険に入らないという選択肢」も積極的に提示出来る「有料相談」が、本来「あるべき姿」だと考え、普及に努めています。根本にあるのは、保険業界の「常識」への疑問です。
そんな私にとって、いわゆる独立系の投信会社は大いに共感できる存在です。販売手数料に頼らず、長期保有を前提とするファンドを設定し、セミナー等を通じて賛同者の輪を広げていく動きが、業界は違っても「あるべき姿」を示しているように見えるのです。
ただ、「このままではマズいだろう」と感じる問題もあります。それは「認知度」の低さです。
お客様から、私自身の「資産形成」について尋ねられるたびに痛感します。「独立系の投信、たとえば『セゾン投信』の『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』を利用しています」と回答しても、「それって何ですか?」と聞き返されるばかりなのです。
それでも、明らかな反応が得られることがあります。
「既存の金融機関でおとなしくしていたら、いい給料をもらえそうなオジサン達が、何年も赤字が続きそうな会社を立ち上げて、休日も全国でセミナーやってるんですよ。」と伝えた時です。
こう言っては何ですが「変わった人たちがいるものだ」と興味を持たれるようなのです。
幸い(?)「セゾン投信」の中野社長は、過日、「日経ヴェリタス」で「柔らかな物腰と端正な風貌で、ついた呼称が『積み立て王子』。だが、この王子、業界の慣習と戦い続ける異端の人でもある」と紹介されています。
私は、この「異端の王子」による戦いの「物語」がもっと語られるべきだと思います。
「セゾン投信」のセミナーに参加すると、「投資」と「投機」は全く違うことなどがよくわかり、勉強になります。一方で、世界経済の話等については「この場でしか聴けないことだろうか?」と感じてしまうのも事実です。
むしろ「草の根運動により、3年半に4万人の賛同者が集まりました」と、既存の金融機関には真似が出来ない「物語」を伝える方が、参加者の口コミを期待できそうな気がするのです。
金融の世界には、年間3%もの手数料が抜かれる「変額年金保険」のような商品を開発した保険会社や、それを「皆さまの資産形成の一助に」と売りまくる銀行など、「物語」には欠かせない「悪い奴ら」も揃っています。
世界の株式や債券に、分散して資金を積み立てていける「まっとうな商品」を扱う会社が、敵視すべき存在を明らかにして、お客様の「感情移入」を誘っても、あざとい印象は与えないだろうと愚考する次第です。
以上、「異端」だの「戦い」だのと連発し、わかったようなことを書き連ねましたが、私は、中野さんのことを「異端の人」だと感じたことは一度もありません。中野さんが「異端」に見えるとしたら、「見る側」が歪んでいるのだ、と思います。
そういう意味でも、これは「負けられない戦い」です。
微力ながら、私も応援します。大手金融機関に勤務している親族が、複数名いることも忘れます。1人でも多くの人を「味方」につけていきましょう。
|
 |
|
執筆者プロフィール |
|
後田 亨(うしろだ とおる)
|
(株)メディカル保険サービス取締役
2005年、大手生保の営業を経て代理店として独立。「生命保険の『罠』」(講談社+α新書)「“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)「生命保険のウラ側」(朝日新書)などの著書がある。
|
オフィシャルサイト:http://www.seihosoudan.com/
|
 |