2025年9月号 Vol.222
目次
長期投資仲間へのメッセージ
セゾン投信株式会社
代表取締役社長 園部 鷹博
Vol.222
合理的な判断をするためのヒント
わかってはいるけれど、なかなかできない
人間は合理的な判断ができないことが多々あります。私も日々の暮らしのなかで合理的ではない行動をしてしまうことがあります。夜はお風呂に浸かれば疲れが取れやすくなる、寝る前に5~10分でもストレッチをすれば血行が良くなるし柔軟性も保つことができる。わかってはいるのに、実際はシャワーで済ませることが多いし、電池切れ状態で倒れこむようにベッドに横たわってしまいます。お昼ゴハンでは定食を頼む際、無料で大盛にできますよと声を掛けられると誘惑に負けて頼んでしまいますが、出てきた料理を見ると盛られた量の多さで食べる前からお腹いっぱいな気持ちになります。夜の会食でもお酒を飲みすぎると身体に良くないし、翌日の体調にも影響するとわかりながら、もう一杯どうですかと促されると期待に応えなければとばかりに断ることなく頼んでしまいます。
投資においても同じで多くの人々が目先の価格の上下に一喜一憂せずに長期保有をすれば良いとアタマでは理解しているにもかかわらず、少し上がれば利益確定と称して売却しますし、少し下がれば怖くなって売却します。下がったときこそ資金に余裕があれば追加投資したら良いのでしょうが、いまは様子見だとか戻ってきたら再度買うと言ったまま行動できません。私がことあるごとに口にする「わかる」と「できる」と「できた(最後までやり抜く)」の3ステップには大きな壁が存在します。
データから見る投資家の動向
今年も株式市場は年初から上下の値動きを繰り返していますが、世の中の投資家の多くが合理性を欠く投資行動をしていたことがデータから推察できます。
2025年7月の投資家の動向をデータで見てみましょう。
※ Bloombergおよび投資信託協会のデータを基にセゾン投信株式会社作成(2025年7月末時点)
棒グラフは全世界株価指数と日本の株価指数の月次騰落率を示したものです。折れ線グラフは株式投資信託(除くETF)への純流入金額を表しており、これは全体の購入金額から解約および償還金額を差し引いたものとなっています。
2025年1月には2.1兆円の純流入があったものの、2025年7月は0.2兆円へとおよそ1/10の金額へと縮小しています。理由は解約金額の増加が背景にあると考えられます。投資家の多くが株価が少し上がったのを見て「利益確定」または「やれやれ売り」を行ったということです。
投資信託の売買実績データでも投資家の行動が確認できます。公募株式投資信託を設定・運用する会社は現在日本に79社ありますが、7月の運用会社別の資金流入金額を確認すると、51社(64.5%)が純流出となりました。月次で純流出になった運用会社は2025年1-6月の平均が28社(35.8%)でしたので、7月は突出していたことがわかります。
※投資信託協会データ(契約型公募投資信託の投資信託会社別資産増減状況(実額):株式投信)よりセゾン投信作成(2025年7月末時点)
この原稿を書いている直近データ2025年8月20日時点では全世界株価指数および日本の株価指数は2025年7月末の価格と比較しても更に上昇しています。継続保有していれば含み益が膨らんだはずなのに、感情を優先し手放してしまったことによって、利益を得る機会を損失してしまった方が多くいらっしゃいました。行動ファイナンスにおける双曲割引と言われるもので、将来の大きな利益より目先の小さな利益を優先させてしまう行動です。
※Bloombergデータよりセゾン投信作成
迷った時こそお金のプロに相談を
感情に流されて行動することを防ぐための対策はあります。一つめはいまいちど何のために投資をしているのかを確認すること(お金をつかうのはいまですか?)です。二つめは相場の動きに一喜一憂しない投資手法は何か(タイミングを気にしない積立投資の活用)を考えることです。この2つを決して忘れないようにしてください。投資手法に関しては、確定拠出年金(企業型およびiDeCo)の活用も検討してみましょう。途中で現金を引き出すことが制限されているので、NISAや特定口座とともに上手に併用すれば良いでしょう。具体的な併用方法や金額の割り振りなどは「セゾンお金のこと相談室~資産形成相談サービス~」をぜひご活用ください。経験豊かなファイナンシャルプランナーがセゾン投信のお客さま向けに無料で相談サービスを提供しています。セゾン投信は皆さまの長期資産形成をこれからも全力でお手伝いします。
特集
積立投資・取り崩しシミュレーションページを活用しよう!
定率でのシミュレーションが可能に!
定率解約のシミュレーションを追加しました。余裕資産で運用続けながら、運用成果を取り崩し、ゆとりある老後生活を楽しみたい方や、次世代に資産を残したいと考える方には、長く資産を維持できる可能性のある定率解約がおすすめです。取り崩しの際に重視するポイント(金額、期間、解約方法など)に合わせて様々な角度からシミュレーションすることができます。
シミュレーションを活用してみよう!
例えば…
60歳から資産2,000万円を年率5%で取り崩していくと…
60歳時点で2,000万円相当の資産を保有し、毎年保有資産残高の5%を取り崩す場合のシミュレーションを行ってみましょう。
想定利回り3.4%※で運用しながら、年率5%で取り崩す条件では、90歳時の取り崩し額予想は年額60万円、月約5万円になる想定で、保有残高も1,000万円以上残っている試算です。
つまり、運用を継続しながら取り崩すと、資産の減少を抑制し、自身の長寿リスクに備えつつ、家族へも資産を残せる可能性があるということです。
※先進国国債の年率 約3.4%(ブルームバーグ・グローバル国債:G7インデックスより、2025年6月末時点)
- シミュレーション結果について計算結果の数値は、小数点以下を四捨五入しています。また、税金等諸費用は考慮しておりません。
- 想定利回り(年率)に基づき、月に一回の複利計算をしています。実際の定期換金サービスの申込時に表示される解約終了年月などは、複利計算を加味しておりません。
- 上記シミュレーション結果は将来起こりうるマーケットや社会の変動等が網羅されているわけではなく、その正確性、完全性や将来の成果を保証するものではありませんので、あくまで1つの参考としてご活用ください。
- モンテカルロ法を用いたシミュレーション結果の表示について : シミュレーション結果については、資産クラスのリターン、リスクに応じてモンテカルロ法を用いた資産額の上限・下限を信頼係数95%で表示しています。
ワンポイント
セゾン投信の定率解約は保有資産残高に対して年率1〜10%で解約していくため、資産寿命が延びることが期待できます。ただし保有資産200万円の場合に取り崩し率(年率)5%を指定すると、年間の受取金額は約10万円となるため、月額は1万円に満たない金額となります。必要な金額に応じて見直しも検討してください。解約方法(定口・定率・定額)は変更が可能です。
セゾン投信 出没録
鹿児島 編
快晴の鹿児島に伺いました。今回は平日の開催にもかかわらず満員御礼となり、「実際に会って直接話を聞けて安心した」といった声もいただき、非常に充実したセミナーとなりました。もちろん、鹿児島のソウルフードである豚のあご焼きも堪能し、英気を養うことができました。翌日は宮崎への移動でしたが、乗車予定だった特急「きりしま」が運休となり、新幹線と高速バスを乗り継ぐことに。結果として約3時間、通常の倍の距離を移動することとなりました。こうした突発的な出来事も、出張ならではの思い出のひとつです。
投資クイズ100本ノック
今回は、投資信託にかかわる金融機関の役割について出題します。
Q.投資信託は3つの金融機関が役割分担をしながら運用しています。次のうちセゾン投信が担っている業務はどれでしょう(難易度 : ★★★)
- 販売(投資信託を購入・売却する窓口)
- 受託(投資信託の資産の管理・保管)
- 運用(投資信託の組成・投資家から集めた資金の運用)
A. 1と3
セゾン投信は、投資信託の運用を行う運用会社であるとともに、投資信託の販売を行う販売会社でもあります。
2の受託は、主に信託銀行が担っています。
〈セゾン共創日本ファンド〉銘柄のご紹介
投資先企業を、セゾン共創日本ファンド ポートフォリオマネージャーの岩下が独自の視点でご紹介いたします!
セゾン共創日本ファンド
ポートフォリオマネージャー
岩下理人
ライフコーポレーション(銘柄コード 8194)
ライフコーポレーションは、近畿圏および首都圏にスーパーマーケット「ライフ」を展開する食品スーパーマーケット事業者です。
戦後の混乱期に創業者・清水信次氏が食料品販売を開始したことを起点に、1961年にスーパーマーケット事業へ参入。以降、地域密着型のチェーン展開を進め、関西・関東の二大市場で着実な成長を遂げてきました。従来のスーパーマーケット店舗においては、購買力の高い首都圏を中心としたドミナント出店、プロセスセンターへの投資による経営効率化と品質の向上、ネットスーパー事業の拡大などに取り組み、経営基盤の強化を図ってきました。また、小売業で進行する同質化競争からの脱却を掲げ、ライフにしかない魅力的な商品の開発に取り組んできました。近年では「オーガニック・ローカル・ヘルシー・サステナビリティ」を重視したプライベートブランド「BIORAL」の展開を推進し、既存店舗内での商品拡充を進めるとともに、これらのコンセプトを軸とした小型専門店フォーマット「ビオラル」の出店にも注力しています。今後も、ライフにしかない魅力的な商品の拡充を進め、より高付加価値な市場を開拓することで、持続的な成長が期待されます。
イベントのお知らせ
セゾン共創日本ファンド第4期運用報告会を開催いたします。10月4日(土)大阪、10月18日(土)東京(対面とオンラインのハイブリッド開催)となりますので、ぜひご参加ください。
お知らせ
当社ウェブサイトのリニューアルのお知らせ
2025/9/18(木)17時より(予定)、セゾン投信公式ウェブサイトの全面リニューアルを実施いたします。
リニューアル対象URL: www.saison-am.co.jp
※ログインに必要な部店・口座番号・ログインパスワードやログイン方法に変更はございませんので、従来ご利用のものをそのままお使いください。
リニューアルのポイント
ポイント1: 「ファンドサイト」「サービスサイト」の2つから構成されたウェブサイトで情報を明確化。
セゾン投信が運用する「ファンドに関する情報=ファンドサイト」と、セゾン投信の口座を保有されているお客さまがご利用いただける「サービスに関する情報=サービスサイト」の2つに分類し、それぞれの情報を取得しやすくなるようにサイト構成を改善します。
ポイント2: 「ファンドサイト」「サービスサイト」どちらからでもログインが可能です。
ポイント3: ウェブサイトURLやネット取引のURLに変更はありません。
セゾン投信公式ウェブサイトのURL(www.saison-am.co.jp)、セゾン投信ネット取引(セゾンとつづく)のログインページURL(https://app.saison-am.co.jp)に変更はございません。ブックマークされている場合でもそのままご利用いただけます。
※ログインに必要な部店・口座番号・ログインパスワードやログイン方法に変更はございませんので、従来ご利用のものをそのままお使いください。
その他詳細につきましては、セゾン投信公式サイト(www.saison-am.co.jp)にてご案内いたします。
セミナーのお申し込みについて
お電話からのお申込み
セゾン投信
お客様窓口03-3988-8668
WEBからのお申込み
スタッフのつれづれだより
アライアンス推進部 S
うだるような暑さの中、趣味のランニングを継続しています。不思議なことに走った後、走らなければよかった…と後悔することはなく達成感で満たされ気分爽快になります。その他、ランニングを継続するメリットは3点あります。
- 食事がさらにおいしくなる。
- 健康な身体作りができる。
- 思考が整理され仕事のヒントや新しいアイデアが浮かぶ。
まさにランニングは「三方良し」のスポーツです。またコツコツ積み重ねる感じは資産形成にも似ており、すぐに結果は出ませんが、継続することで自信や結果につながると思います。ランニングも資産形成も「コツコツが勝つコツ」かもしれません。
今月の広報ちゃんねる
小学生も金融教育を!
セゾン投信では普段、高校生・大学生向けの金融教育プログラムを提供していますが、今回は夏休み企画ということで、小学生向けにアレンジした金融教育セミナーを実施いたしました。
小学生のパワフルさに圧倒されながら開催したセミナーのレポートをnoteで掲載しています。
この企画はTEAMとしまと共に豊島区の区民ひろばで実施いたしました。TEAMとしま アクションでも連携実績としてレポートが掲載されていますのでこちらもご覧ください。

編集後記
9月とは思えない暑さが続きますが、夜には虫の音が聞こえるようになり、秋を感じるようになりました。今月はいよいよホームページがリニューアルします。会社としてより良いものを提供したい、といろいろなことを改善していきますが、変わらない部分もあります。お客さまの生涯投資を支える会社であること、そのために必要なことは何か、どうすれば良いか、私たちは常に考えて行動しています。