止まらない円安!
米国株や米国株投資信託は買うべき?

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最近の円安ニュースを見て、NISAをはじめたのだけど「円安時に米国株や米国株投資信託(ファンド)は買うべき?」と悩む方も多いかもしれません。

このコラムでは、初心者の方向けに為替のキホンを解説し、知っておきたい為替のリスクや積立のメリット、私たちの生活への影響をわかりやすく解説します。また、すでに投資を始めた方にも役立つ、「円安に備える」ためのチェックポイントもお伝えします。

※このコラムでは米国と日本、米国ドル(ドル)と円を例として解説します。また、為替取引には売買の手数料がかからないと仮定しています。
※本コラムは、各種報道に基づきセゾン投信が作成しています。

目次

為替のキホン

為替は、二国間での通貨を交換するときの「レート(値段)」のことです。
たとえば「1ドル=100円」なら、1ドルを買うのに100円が必要という意味です。

円安・円高の見分け方

為替レートが動いた時に、これは円安だっけ?円高だっけ?と結構迷いがち。最初に確認しておきましょう。

たとえば「1ドル=100円」の状況から
100円が120円に→数字が大きくなると「円安」
100円が80円に→小さくなると「円高」

「円安=同じ1ドルを買うのに必要な円が増える状態」です。

図1:為替と円の支払額(1ドル)のイメージ図

為替が動く理由

為替が動く理由は様々です。より魅力的・より必要とされる通貨の方が高くなる、が基本と考えるとわかりやすくなります。

一般的に為替が変動する理由(高くなりやすい例)※これに限りません。

金利差金利が高い国の通貨にお金が集まりやすい
物価の安定性物価が安定している国の通貨にお金が集まりやすい
安全・安定性安全だと思われる通貨は買われやすい
需給バランス輸入が多いと海外通貨を買う必要性が高まる

円安の事例(2021年から2025年)

では、どんな時に円安が進むのか、実際の例を見てみましょう。

【2021年から2025年に円安が進んだ事例】

2021年1月:1ドル=105円台
2023年8月:1ドル=145円台、円安。
2025年12月:1ドル=156円台、さらに円安。

2021年1月から円安が進んだ理由として、前述の金利差が挙げられています。
コロナショック後、米国の金利は上昇。日本の金利より高い状況になりました。
金利の高いドルが買われ、円安が進んだケース。「一般的な理由」通りの動きです。
ところが、2023年8月から2025年には、米国は利下げ。日本は利上げ局面。つまり金利差が縮まる状況でした。
本来なら円高になりそうですが、実際は円安基調が続きました。

2025年12月にかけては、金利差以外のいくつかの理由が着目されました。その一例が「デジタル赤字」です。
日本の輸入が輸出より多いと、外貨がより必要になります。これは円安要因です。
そして、輸出入は、モノだけではありません。
例えば、ITやAIといったデジタルサービスもそのひとつです。
動画配信やITサービスは海外勢が優勢。日本からの支払いが増えやすい、状況です。
デジタル関連で「日本からの支払が多い」という状況は、当面続きそうです。
今後も潜在的な円安要因とも言えます。

円安はいつまで続く?

このように、実際の為替はその時々で注目されるポイントが変わります。
また、複数の理由が関わることでの思わぬ動きもあります。
教科書通りとは限りません。

今なぜ円安か?は分析できても、将来の為替を予測することは、めちゃくちゃ難しいということ。
円安がいつまで続くか?は誰も予測することはできません。

予測がつかないからこそ、円安が続く場合も想定して、あらかじめ資産運用の心得や生活への備えを考えておくことは大事です。

円安で米国株ファンドに投資すべき?

資産運用での心得を考えてみましょう。
日本でファンド(公募投資信託)を買う時には、円で支払いを行います。
ファンドはこの円をドルに換えます。このドルで米国株を購入します。
この時、同じ「株価100ドル」でも為替レートによって、円での購入金額は変わります。

「図1」にあるように、購入時円安だと、より高く購入することになります。(購入後、保有中では、円安は評価額が上がる要因になります。)

いざ投資となると、今、円安だからもう少し待った方がよいかしら?円高になってから買ったほうがよいかしら?と迷われる方、結構多いと思います。
でも、為替を狙っての投資は現実的ではありません。

円高を待つより積立投資がおすすめ!

投資信託の申し込み時には基準価額(購入する値段)は確定していません。これは日本の投資信託に関わる規則によるもので、どのファンド(公募)でも同じです。
あれこれ考えても、申し込み後に市場が大きく動くこともあります。「タイミングを見て」買おうとしても、あまり意味がありません。

それでも「いまは円安だから…」「円高になってから…」と迷ってしまうなら、積立投資・時間分散が活用できます。
株価だけでなく、為替の水準も平準化、つまり上下をならした投資が期待できます。
悩みすぎて投資するタイミングを逃すより、積立で投資をスタートし、時間を味方につけるほうが、よっぽどよさそうです。

家計への影響大!円安インフレとは?

資産運用以上に、誰でも考えておきたいのは家計への影響です。なぜなら、円安は、私たちの生活の負担を増やす可能性がとても大きいからです。

円安で増える家計の負担

日本は食料やエネルギーなどを海外から多く輸入しています。例えば、小麦やガソリンの元になる原油などです。
食料は約7割、エネルギーは約9割を海外に頼っています。海外依存が日本の現状です。

円安になると、同じ輸入品でも円で支払う金額が増える、家計の負担も増えます
インフレ(物価上昇)には様々な要因がありますが、海外への依存が大きい日本では、円安による物価上昇、いわゆる「円安インフレ」リスクを意識しておくことが大事です。

実は、海外資産への投資も、その対策のひとつとして捉えることもできます。

米国株ファンドで円安リスクに備える

海外資産へ投資する、例えば米国株ファンドを保有していると、どうなるでしょう。

家計の負担が増えがちな円安は、逆にファンドが値上がりする要因です。
家計全体でみれば、海外資産への投資は「円安インフレ」リスクを、ある程度打ち消すことが期待できます。
もちろん、為替以外の要因でもファンドは値動きします。「円安インフレ」を完全に相殺するとまではいえません。また、円高や株安によりファンドが値下がりする、損失が発生する可能性もあります。

とはいえ、「家計全体」を意識して、一定程度の外貨を保有する、例えば米国株ファンド投資、には意味がありそうです。こんな見方も加えると、どの為替水準で投資するのか、なんて悩みも薄れそうですね。

円安に備えるための5つのチェックポイント

プロでも予測できない為替。でも、生涯投資や将来の目的のための長期の資産運用であれば、円安・円高で慌てる必要はありません。
家計に影響のある円安への備え!を意識できればなおさらです。

そんな円安に備えるための資産運用のためのチェックポイントをまとめてみました。

①海外資産の割合は一定に

円安インフレへの備えといっても、当面使う必要のないお金の範囲で、無理せず配分を考えて!
株価の下落や円高などによってファンドの値段が下がることもあります。元本保証ではなく、損失が発生する場合もあるからです。

②目的は「長期の資産形成」

為替も長い目でみると「行き過ぎれば戻る」を繰り返してきました。株価や為替を当てにいく短期投資と異なり、長期投資が目的ならば、一時的な為替の動きに慌てる必要はなさそうです。動揺しそうな時は、あらためて当初の目的を思い出しましょう。

③円安インフレ対策

ファンドの値動きだけでなく「家計全体で考える」という視点、「円安インフレ対策」を意識しておく。市場の動きに「右往左往する気持ち」を落ち着かせる効果も期待できます。

④やっぱり分散!積立・時間分散と資産・通貨の分散

輸入品の値段は様々な通貨の影響を受けます。積立による時間分散に加え、特定の国や地域への過度な集中を避け、世界全体への国際分散も考えてみましょう。

⑤定期的な資産配分見直し

家計もファンドも長い期間では状況が変化します。定期的に家計全体の資産配分を確認し、必要があれば見直し。年1回の健康診断のように、定期的に確認してみましょう。

あらためて、ファンドは元本保証ではありません。元本割れになることもあります。
海外資産に投資するファンドには、為替に加え株価変動リスクなどさまざまなリスクがあります。
検討する場合には、必ずファンドの説明書でもある「交付目論見書」を読んで、良い点だけでなく、留意点もしっかりと確認しておきましょう。

まとめ:為替に振り回されず「長期・分散・積立」で運用する

  • 為替や株価の動きを完璧に予測するのは難しい、できない!
  • 「長期」「分散」「積立」が長期資産運用の味方
  • 家計全体のバランスを意識し、無理のない範囲で配分を検討
  • 定期的な見直しも忘れずに

為替に限らず資産運用の大事なポイントです。長い年月では、迷ってしまう!不安!という時があるかもしれません。
その時には、ぜひこのコラムを活用していただけるとうれしいです。

ライタープロフィール

梁田真里子

証券会社・資産運用会社にて、債券・株式・為替・リートや投資信託など、様々な金融商品の開発・販売を担当。30年を超える実務経験と専門的な知識をもとに、「むずかしいことはやさしく、やさしいことはよりふかく」をモットーに、全国での勉強会やセミナーを担当。コラムでは、資産運用をより身近に、楽しく続けていただくための金融の「あれこれ」をお届けしたいと思います。

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