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「『何もしない』とは『何かをすること』」
「バンガードが考える『規律』の重要性と市場の変化との付き合い方」シリーズ第6回
「『何もしない』とは『何かをすること』」

「バンガードが考える『規律』の重要性と市場の変化との付き合い方」シリーズ最終回はバンガード・パーソナル・アドバイザー・サービシズ™のシニア・ファイナンシャル・アドバイザー、ローレン・ワイバーのコラムをお届けします。
私は2歳児の親であり、ファイナンシャル・アドバイザーを職業としています。そのため、幼い子どもの育児と市場に関わる自身の経験から、気まぐれで、予測し難く、一貫性のない行動についてよく知っています。幼児の場合も、市場の場合も、そうした動きが正常なものであることと分かっていますし、それを予期しています。ですから、そうした状況が起こった場合も(現実に起こります)、私は冷静で落ち着いています。動じることはありません。そして大抵の場合、何もしません。
市場の下落時に、私は意識的に何もしないと決めています。しかし、何もしないのは行うべきことを決断できないからではありません。以下の信念に従っているためです。
・市況は急速に変化するもの。今日、過去最安値(または最高値)を記録しても、それが明日も続くとは限りません。例えば、米国株式は2018年第4四半期に約14%下落しました。しかし、市場はすぐに回復しました。2019年第1四半期に米国株式は約14%回復したのです。* 実際にS&P 500は2019年第1四半期に四半期としては約10年ぶりの高い上昇率となりました。これほどの急速な回復は幾分例外的と言えなくもありませんが、市場は急速に変化する可能性があることを間違いなく実証しています。
・自身の資産配分を信用する。ご自身の投資目標、リスク許容度、期間を基準として資産配分を行っているのであれば、市場の混乱に対するポートフォリオの耐久力に自信を持たなければなりません。私は、顧客のポートフォリオの資産構成が、数千種類の仮想的な市場環境でどの程度持ちこたえるかを検証するテストを行います。この「ストレス・テスト」では、外因的なストレス要因の下にあっても、適切な資産配分は投資目標を支えるということが幾度も証明されています。
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- ・市場の回復期にポートフォリオが回復する機会を与える。上述の例について考えてみましょう。2018年末に米国株式市場が下落したために株式を売却した場合、14%の損失が確定することになります。そのまま株式を保有し続けていれば、保有株式の価値は翌四半期にほぼ完全に回復することになります。
バイ・アンド・ホールドとリバランス
市場の下落に直面したときに何もしないことは、現実から目を逸らすことではありません。実際、市場下落を認識することが、目標とする資産配分にポートフォリオを戻すよう調整する機会を見つける上で役立つ場合があります。定期的に(またはポートフォリオの資産配分がターゲットから5ポイント以上乖離したときに)リバランスを行うことは、リスクへのエクスポージャーを制御できるような資産配分を維持するための簡単な方法です。
*株式市場のデータはダウ・ジョーンズ米国トータル・ストック・マーケット・インデックスに基づいています。
注記:
- ・過去の運用実績は将来の結果を保証するものではありません。
- ・すべての投資にはリスクが伴います。金融市場の変動やその他の要因によって投資元金を割り込む可能性があることにご注意ください。いかなる特定の資産配分またはファンドの組み合わせも投資目標の達成や一定水準の収入の提供を保証するものではありません。
- ・投資の助言は、登録投資顧問業者であるバンガード・アドバイザーズ・インク、または連邦政府認可の限定目的信託会社であるバンガード・ナショナル・トラスト・カンパニーによって提供されます。
ローレン・ワイバー
バンガード・パーソナル・アドバイザー・サービシズ™
シニア・ファイナンシャル・アドバイザー
ご留意事項
- ・この記事は、2019年7月にバンガード・インベストメンツ・ジャパンのウェブサイトに掲載されたものです。
- ・バンガードのファンドについて詳しくお知りになりたい場合はvanguardjapan.co.jpをご覧ください。ファンドの投資目的、リスク、費用、経費、およびその他の重要な情報は、目論見書に記載されています。投資前によくお読みになり、ご検討ください。
- ・バンガードETFにおける受益証券の設定または交換は、通常数百万ドル単位のクリエーション・ユニット(原資産バスケットおよび現金)の引き渡しによってのみ行われます。投資家は、流通市場においてバンガードETFの受益証券の売買を行い、証券取引口座にこれらの受益証券を保有しなければなりません。その際、投資家は仲介手数料を課されます。また、ETF購入の際には基準価額を上回る金額を支払い、あるいは売却時には基準価額を下回る金額を受け取る可能性があります。
- ・債券ファンドへの投資は金利、信用、およびインフレリスクを伴います。
- ・分散投資は、利益の保証や損失を予防するものではありません。
- ・株式や債券への投資は、カントリー・リスク、地域リスク、通貨リスクなどのリスクを伴います。新興国市場を基盤とする企業の株式は、国と地域の政治リスク、経済リスク、為替変動リスクを伴います。これらのリスクは特に新興国市場で高くなります。
- ・すべての投資にはリスクが伴い、投資元金を割り込む可能性があります。
- ・バンガード・マーケティング・コーポレーション、バンガード・ファンドの販売会社

バンガードは、世界最大級の運用会社の一つです。2019年12月31日現在、バンガードは約6.2兆米ドル(約674兆円)の資産を世界の市場で運用しています。バンガードは米国ペンシルバニア州バレーフォージに本拠地を置き、世界中で3,000万人を超える投資家の皆さまに400本以上のファンドを提供しています。
記事提供会社:バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第146号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会