2026年6月号 Vol.231
目次
今月のひとこと

Vol.231
運用哲学を“かたち”にする~資産配分のシンプルさとその理由~
哲学は掲げるだけでは意味がない
運用業界では、各社がそれぞれの運用哲学を掲げています。
しかし大切なのは、その哲学を掲げることや維持することそのものではありません。
私たちが重視しているのは、運用哲学を具体的な投資戦略やファンドという“かたち”に落とし込み、長期的な投資リターンとしてお客さまにお届けすることです。
もし、哲学が実際の運用や成果と結びつかないまま繰り返し語られるだけであれば、それは運用会社として責任ある姿勢とは言えないと思います。
自分たちが掲げた運用哲学について、それを実現するプロセスも含めて、お客さまへ説明ができることが運用会社として果たすべき責任のひとつであると考えています。
「何に投資するか」と同じくらい重要なこと
セゾン・グローバルバランスファンドの投資対象資産に関してよくいただく質問があります。
「なぜ、新興国債券、REIT(不動産投資信託)、コモディティ(金など)が組み入れられていないのですか?」
なぜそれらが長期投資には向かないと私たちが考えているのか、1つずつ解説していきたいと思います。
今回はなぜ、新興国債券に投資しないのかについてご説明いたします。
高い利回りの裏にあるもの
新興国債券は表面利率が相対的に高いので魅力的に感じる方がいらっしゃいますが、期待されるリターンよりも大きなリスクを抱えることになることが想定されます。なぜ新興国債券は先進国債券と比べて表面利率が高いのか。
その理由の1つは物価上昇率(インフレ率)の高さにあります。基本的にインフレ率の高い国の通貨は下落する可能性がそうでない国と比べて高い傾向にあります。例えばトルコリラについては過去10年間を振り返ると対円で90%以上下落しています。
次にカントリーリスク(政治や経済、制度の不安定さ)を理由としたデフォルト率の高さです。債券の元本が削減される、利払いが延期される、条件が変更されるなどにより、当初期待したリターンを下回ることがあります。アルゼンチンは過去に9回デフォルトしていますし、ベネズエラは2017年の利払い停止以降は実質的デフォルト状態が継続しています。
その他にも投資環境が世界的に悪化した場合には株式と同様に売られてしまい分散投資による効果を発揮できなくなることがありますし、市場が小さいため想定通りに売買が成立しないこともあります。
即ち「安全資産としての債券」に期待される役割を新興国債券が必ずしも果たしてくれるとは限りません。
このような理由からセゾン・グローバルバランスファンドへ組み入れておりません。
次回は、REIT、コモディティをなぜ組み入れていないのか、その理由について私たちの視点からお話しします。
特集

2025年度の共通KPIを公表しました
セゾン投信では、金融庁が開示を求める「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」を2018年より継続して公表しています。
共通KPIとは、販売会社が取り扱う投資信託について、
- どの程度のお客さまが運用益を確保できているか
- お客さまに提供している商品のコスト・リスク・リターンの関係が妥当かといった点を、共通の定義に基づいて可視化するものです。

2025年度の「運用損益別顧客比率」では、97.6%のお客さまに運用益が生じているという結果となりました。セゾン投信では、6年連続で95%以上のお客さまが運用益を確保しています。セゾン投信は今後も、運用成果だけでなく、その背景やプロセスについても分かりやすい情報開示を行い、お客さまが長期的な視点で資産形成を行える環境づくりに努めてまいります。詳しくはこちらをご確認ください。
投資クイズ100本ノック

今回は外国資産に投資している場合の「円安」の影響について疑問を解消してみましょう。
Q. 外国資産に投資しているとき、「円安」が進むとどうなることが多いでしょうか?(難易度:★)
- 円ベースの評価額は上がる要因になる
- 円ベースの評価額は下がる要因になる
- 為替は影響しない
A. 1
円安は外貨建て資産を円に換算した価値を押し上げる要因となります。ただし、資産価格の変動などによって値動きは変わるため、一方向に決まるわけではありません。
※上記は一般的な説明であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。為替および投資対象資産の価格変動により、基準価額は変動します。
〈セゾン共創日本ファンド〉銘柄のご紹介

投資先企業を、セゾン共創日本ファンド ポートフォリオマネージャー岩下が独自の視点でご紹介いたします!
荏原製作所
荏原製作所は1912年、世界的に認められた井口在屋博士の渦巻きポンプの理論に基づいた優れた製品を世に広めるため、「ゐのくち式機械事務所」として創業しました。創業者である畠山一清氏が唱え続けた創業の精神、“熱と誠”のもと、水道ポンプの国産化を成し遂げ、日本の近代化に大きく寄与しました。以来流体・真空技術を中核として社会インフラと産業の発展を支え、建築・産業、エネルギー、水インフラ、環境、精密・電子の5分野でグローバルに事業を展開するに至り、ポンプやコンプレッサーなど「流れ」をデザインする製品で高い競争力を確立しています。標準ポンプや冷却塔では国内首位を維持し、石油・ガスプラントの下流領域向けコンプレッサーでも世界トップシェアを誇ります。 また半導体製造装置を手掛ける精密・電子分野は成長ドライバーとして存在感を高めており、ドライ真空ポンプとCMP装置*1はいずれも世界2位のシェアを確立しています。足元では半導体市場の構造的な成長や生成AI向け投資の拡大が同社業績を下支えしており、中長期的にも安定した成長が期待されます。同社は長期ビジョン「E-Vision2030」のもと、水インフラ、防災、環境負荷低減、水素・CCUS*2などの領域にも積極的に取り組んでおり、社会価値と経済価値の両方を向上させることで、企業価値のさらなる向上が期待されます。
*1 CMP装置(CHEMICAL MECHANICAL POLISHING装置)は、半導体製造工程におけるウェーハの表面を平坦化するための装置です。
*2 CCUS(CARBON CAPTURE, UTILIZATION AND STORAGE)は、二酸化炭素を回収し、再利用または貯留する技術です。
※記載の銘柄は当該投資信託の組入銘柄の一例であり、当該銘柄の購入を勧誘するものではありません。また将来の運用成果を示唆・保証するものでもありません。
広報Picks!

創業20周年!特設ページを開設しました
セゾン投信はおかげさまで2026年6月12日に創業20周年を迎えます。20周年を記念して特設ページができました。順次、記念企画を追加していきますので、どうぞお楽しみに!

20周年ロゴに込めた思い
右肩上がりのブルーのラインは、お客さま一 人ひとりの持続的な資産形成によって、時間とともに運用資産が成長してきた歩みを表現しています。
全体のグラデーションは、これからさらに広がる未来をイメージしています。

〇(まる)の部屋
セゾン投信のコラム「〇(まる)の部屋」をご存じですか?
投資に関する幅広いテーマで、初心者にも分かりやすく解説しています。
