火災保険料改定 13%料率up

リード文

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火災保険の保険料は損害保険料率算出機構が算出する参考純率を参考に、各保険会社が決定します。今回の改定は2023年6月に機構が参考純率を13%引き上げることを発表したことを受けて、保険会社が保険料改定を行いました。

また、今回の改定では、料率に加えて水災に関する料率が5区分に細分化されます。水災とは洪水や土砂崩れ等による損害を言いますが、今まで水災料率は全国一律でした。今回の改定で地域によってリスクの差が設けられ、最も保険料が安い1等地から最も保険料が高い5等地まで5区分に分けられます。

この区分は市区町村単位で決められており、自宅の水災等地は、こちらの検索システムから確認できます。

目次

2024年火災保険改定の内容

火災保険の保険料は損害保険料率算出機構が算出する参考純率を参考に、各保険会社が決定します。今回の改定は2023年6月に機構が参考純率を13%引き上げることを発表したことを受けて、保険会社が保険料改定を行いました。

また、今回の改定では、料率に加えて水災に関する料率が5区分に細分化されます。水災とは洪水や土砂崩れ等による損害を言いますが、今まで水災料率は全国一律でした。今回の改定で地域によってリスクの差が設けられ、最も保険料が安い1等地から最も保険料が高い5等地まで5区分に分けられます。

この区分は市区町村単位で決められており、自宅の水災等地は、こちらの検索システムから確認できます。

水災等地検索 

各地域の改定率例

それでは、各地どの程度の値上がりになるのでしょうか。火災保険の改定率、水災等地別の改定率の一例として下記都道府県をピックアップしました。

M構造:コンクリート造などのマンション

<M構造 保険金額:建物2,000万円 家財1,000万円、築10年以上の例>

水準の改定のみ 水災等地別の改定率
都道府県 改定率 改定率
1等地 2等地 3等地 4等地 5等地
福島県 +12.4% +5.8% +9.4% +13.6% +18.2% +23.0%
東京都 +10.4% +4.3% +7.7% +11.5% +15.8% +20.2%
神奈川県 +12.0% +6.2% +9.5% +13.3% +17.2% +21.8%
愛知県 +13.7% +7.6% +11.0% +14.8% +19.1% +23.6%
大阪府 +16.9% +11.6% +14.7% +18.0% +21.9% +25.9%
福岡県 +18.5% +13.3% +16.2% +19.5% +23.2% +27.0%

T構造:耐火・準耐火の建築物、鉄骨造り建物など

<T構造 保険金額:建物2,000万円 家財1,000万円、築10年以上の例>

水準の改定のみ 水災等地別の改定率
都道府県 改定率 改定率
1等地 2等地 3等地 4等地 5等地
福島県 +14.6% +6.3% +11.0% +16.2% +21.9% +28.3%
東京都 +13.3% +5.2% +9.8% +14.9% +20.6% +26.8%
神奈川県 +13.6% +6.2% +10.4% +15.0% +20.2% +25.8%
愛知県 +14.8% +7.2% +11.5% +16.2% +21.5% +27.2%
大阪府 +21.5% +14.9% +18.6% +22.8% +27.5% +32.6%
福岡県 +22.0% +15.6% +19.3% +23.2% +27.7% +32.6%

H構造:非耐火などM・T構造以外の建物

<H構造 保険金額:建物2,000万円 家財1,000万円、築10年以上の例>

水準の改定のみ 水災等地別の改定率
都道府県 改定率 改定率
1等地 2等地 3等地 4等地 5等地
福島県 +7.3% ▲0.6% +3.9% +9.0% +14.5% +20.7%
東京都 +6.3% ▲1.3% +3.0% +7.7% +13.1% +19.0%
神奈川県 +7.7% +0.9% +4.8% +9.0% +13.8% +19.0%
愛知県 +8.9% +1.9% +5.9% +10.3% +15.1% +20.6%
大阪府 +17.3% +11.4% +14.8% +18.5% +22.6% +27.1%
福岡県 +16.5% +10.8% +14.1% +17.6% +21.6% +26.0%

出典:損害保険料率算出機構「2023年6月届出 火災保険参考純率改定 都道府県別等地別の改定率の例」より抽出

なお、保険料は上記の料率だけで決定されるわけではなく、経費なども含めて各保険会社が決定します。また、実際の保険料は築年数や広さなどによって変わります。

火災保険改定の背景

今回の改訂の背景にあるのは、大雨や台風などの自然災害の被害が大きいこと、住宅の老朽化への対応に係る材料費や人件費等修理費の高騰が背景にあります。自然災害については、地球温暖化の影響があると言われていますが、温暖化など気候変動が進むなら火災保険の値上がりは今後も続く可能性はありそうです。

火災保険の節約方法

今回の見直しは2024年10月以降からの契約に適用されるため、現在の契約に適用されるわけではありません。しかし、次回の更新からは値上げが適用されます。保険料を削減するには、補償内容を適切にする、過大な補償をつけているなら無駄な補償を外すことはもちろんですが、必要な補償まで削減してしまうのは危険です。

そこで、下記のポイントも考えてみてください。

・保険期間5年にする
現在の保険期間の最長は5年です。長期契約にすると保険料が割安になります。

・保険会社を比較する
更新の際は、他社の保険の見積もりもとってみましょう。一括見積もりサイトでアイスなどギフト券プレゼントキャンペーンを開催していることもあるので、比較して保険料の大きな節約にならなかったとしても、せめてお得感だけでも味わいましょう。

・免責金額を上げる
免責金額(自己負担額)を設定できる保険なら、免責金額を上げることで保険料を抑えることができます。ただし、保険事故が起きた際、自己負担が増えるため、免責金額を上げる際は注意が必要です。

火災保険の節約には限度がある

近年の自然災害の被害を考えると容易に補償内容を下げるのは非常に危険です。久々の保険の更新で保険料の高さにびっくりするかもしれませんが、火災保険は必要経費です。火災保険の出費がイタイと思ったら、火災保険以外の支出項目で節約をはかりましょう。

ライタープロフィール

セゾンお金のこと相談室 前田 菜緒

1級FP技能士や夫婦問題診断士。「セゾンお金のこと相談室」でじっくりトコトンコースの相談員を務め、子育て世帯の人生を黒字化させることが得意。

\お金&ライフプランを相談できるアドバイザーが在籍/

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